ICT化が進む介護業界ですが、ICT化を進める目的は何があるのでしょうか。
まずは、人材不足を解消するという目的です。
少子高齢化がどんどん進んでいく現代社会では、要介護者となる高齢者が増える一方、サービスを提供する労働者の人数は減少していく一方です。
介護業界の仕事は、給料が低く、夜勤もあり、排せつや食事の介助もあるためか、仕事がハードというイメージが根強く残っており、慢性的な人材不足に陥っているのが現状です。
介護業界のICT化を進め、業務を効率化して生産性を上げることができれば、その分現在の介護スタッフが抱えている負担も増やすことができ、さらに、利益を上げて賃金に反映できる可能性が秘められています。
また、ICT化には、70歳までのシニア層の雇用を広げる目的もあります。
ICT化によって業務をマニュアル化し、介護ロボット等を導入することで、肉体的、精神的な負担を軽減できるようになるため、介護の質の向上が期待できます。
例えば、介護スタッフの大きな負担となっていた見守りに割く時間は、見守り機器を導入することで、タブレット端末を通して部屋にいる利用者の状態を把握できるようになるため、大幅に削減できるようになります。
移乗支援機器など、大きな体力を使う作業をサポートする機器の開発なども、進められています。
このように作業を分散化し、介護助手という職種をつくることで、シニア層でも働きやすい環境づくりを狙っているのです。